組織票に揺れた2018年「ゆるきゃらグランプル」の優勝者は・・・だった!
全国のゆるキャラの頂点を決める「ゆるキャラグランプリ(GP)2018」が
11月17日、18日と、大阪府東大阪市で開かれた。
各自治体による「組織票」が話題となった今大会だが、
ご当地部門(自治体など)では事前のネット投票で上位を占めた3体が
グランプリを逃した。
かつて「くまモン」が1位に選ばれた「ゆるキャラグランプリ」。
事前のインターネット投票で上位の自治体が、
万単位のフリーメールのアドレスを取得し、
組織票を投じていることが明らかになった。
各地方自治体では、
このゆるキャラで観光収入や名産品の販売などのPRに活用しているわけだ。
だから、グランプリで1位を取って知名度を上げたいところ。
そこで、どうしても、こうしたアンフェアな手段を取るところも出てくるわけだ。
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■「捨てアカウント」による投票は認めない!
GPには企業部門も含めて909体がエントリー。
ネット投票では、フリーアドレスによって
大量の投票用IDを取得している自治体があるとの報道が続出。
暫定1~3位になった「こにゅうどうくん」(三重県四日市市)、
「ジャー坊」(福岡県大牟田市)、
「一生犬鳴(けんめい)!イヌナキン!」(大阪府泉佐野市)をめぐり、
自治体側が投票用メールアドレスを取得していたことが明らかになり、
「組織票」との指摘も出ていた。
GP実行委員会は使用頻度の低い「捨てアカウント」による投票は認めないとして、
実行委からのメールに返信のないアドレスを「不正ID」と認め、得票数を削除。
結果的に暫定1~3位だった3体はそれぞれ数十万票減らした。
実行委によると、同様の措置は数年前から実施しているという。
■組織票疑惑の自治体のコメント
こうした状況に対し、
3位に後退し、市職員が約2万の投票IDを取得し、
配布していたとして「組織票騒動」の渦中にいた「こにゅうどうくん」。
「こにゅうどうくん」を送り込んだ四日市市の森智広市長は
「投票した人は『自発的に応援しよう』という思いだと信じている。
組織票は一票も入っていなかった」と強調。
当日は、森智広四日市市長(40)が自ら駆けつけ、
縁のある俳優京本政樹(59)がサプライズで激励に訪れるなど、
万全の体制かに思われた。
だが、昨年4位からひとつ順位を上げた3位に終わった。
森市長は「(実行委が)精査した結果、80万票を認めていただいた。素晴らしい結果」と
納得の表情。
約3000人の市職員を含む
「市民の思いが詰まった80万票。誇りを持って帰りたい」と胸を張った。
大会前からの宣言通り、今年で参加は最後と明言し、
「記録より記憶という部分もあり、
記憶という意味ではこにゅうどうくんは全国区になったので、良かった」
すがすがしい表情で会場を後にした。
ジャー坊が2位に終わった大牟田市の中尾昌弘市長は記者会見を開いて
「今大会の当初は明記されていなかった。
投票した人の善意を踏みにじる行為ではないか」と実行委を批判した。
イヌナキンが4位に落ちた泉佐野市の担当者は結果発表前、
「自分のところのキャラクターを応援したいのはどこの自治体も同じ」と話していた。
■優勝者したの弱小団体のゆるキャラだった!
グランプリを獲得したのは、ネット投票で暫定4位の、
埼玉県志木市文化スポーツ振興公社の「カパル」。
約89万票を獲得した。
グランプリを獲得した志木市文化スポーツ振興公社の担当者は
「うちは職員が5人ほどしかいなくて組織票の『そ』の字も出せない弱小団体。
その中でがんばってきて、てっぺんが取れてうれしい」
と喜んだ。(大野正智、大津正一、森川愛彦)
同公社の職員はわずか5人で、アルバイトを含めても人員が30人足らずという。
カパルの相棒を務める同職員の権田原花子さんは
「組織票の『そ』の字も出せないような、小さな団体です。
たくさんの応援してくれている方の力があってこそ」と涙ながらに感謝した。
今月1日時点では暫定4位だったカパル。
トップ3は約119万票の三重県四日市市「こにゅうどうくん」を筆頭に、
2位の福岡県大牟田市「ジャー坊」、
3位の大阪府泉佐野市「一生犬鳴!イヌナキン!」が
100万票以上のネット得票で3つどもえかに思われていた。
しかし、先述した通り「捨てアカウント」による投票を無効にしたおかげで、
約89万票の「カペル」が優勝したというわけだ。
■「ゆるキャラグランフプリ2018」トップ3
第1位 埼玉県 カパル
所属: (公財)志木市文化スポーツ振興公社
市内に古くから伝わる河童の民話をモチーフに誕生。
にも関わらず、
すぐにお蔵入りして10年近くも放置されるという黒歴史を持つ。
H23年に復活三次元化してからは
振舞きゅうりをしながら飛び回る。
キモヲタカッパ
第2位 福岡県 ジャー坊
所属:大牟田市
大牟田の夏祭り、
大蛇山の「蛇」から命名された「大蛇の化身」だよ。
ヘルメットとつるはしは、
炭鉱のまちの人たちからもらったお気に入りのアイテム。
(自称)まちの守り神なんだ。
(制作:株式会社レベルファイブ)
第3位 三重県 こにゅうどうくん
所属:四日市市
四日市市のマスコットキャラクターで、
いたずら好きな妖怪の男の子です。
お父さんは日本一大きいカラクリ人形「大入道」。
伸ばしたいお願い事をしながら、
ボクの伸びる舌に触ると、
願いが叶うって言われているよん!
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■ゆるキャラグランプリの実行委員は・・・
表彰式後、取材に応じた同グランプリ実行委員の西秀一郎会長(55)は
「1人1日1回」という投票の原則に当てはまらない、
投票先に「人」の存在が確認されない「捨てアカウント」による投票を
無効票として削除したと説明した。
参加自治体などには
「経済効果だけを追いかけて欲しくない。ゆるキャラに頼り過ぎ」と言及し、
大会は地域活性化の手段であって「目的にして欲しくない」と思いを語った。
来年度の正式開催は未定だが、投票ルールの変更に言及は無く、
20年までの開催を予定していると述べた。
今年は「ご当地部門」507体、
「企業・その他部門」402体の全909体がエントリー。
8月1日~11月9日までのネット投票と
11月17、18日の会場での決選投票の結果で最終順位が決定された。
同グランプリは東日本大震災の復興支援を目的として、11年からスタート。
今年で8回目を迎え、毎秋に開催されている。
過去のグランプリでは熊本県の「くまモン」(第1回)や
愛媛県今治市の「バリィさん」(第2回)などの人気ゆるキャラが優勝を果たしている。
■「ゆるキャラ」を考案したのはみうらじゅん
「ゆるキャラ」という名称は漫画家、エッセイストであるみうらじゅんが考案し、
みうらも自分が命名者だと自認している。
2004年11月26日には「ゆるキャラ」という言葉が、
扶桑社とみうらじゅんによって商標登録されている(第4821202号)。
これは無関係な第三者により商売に利用されたり、
第三者に商標を取られ「ゆるキャラ」という言葉が
自由に使えなくなることを防ぐためである。
また「ゆるキャラ」を使用したサイトでは
「ゆるキャラ®という文字は、みうらじゅん氏の著作物であるとともに扶桑社、及びみうらじゅん氏の所有する商標です」と明記されている。
新語・流行語大賞では、2008年に「ゆるキャラ」がノミネート、
2013年に「ご当地キャラ」がトップテン入りを果たした。
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■まとめ
「ゆるキャラ」を開発した自治体は、
低予算でやっているにしても、
やはり税金を使っているわけだ。
もっと違うことに使えないものかなぁと思うが、いかがだろうか?
アイデアや知恵を出すことを忘れ、右へならえでやっているところが、
どうも気になる。
もっとオリジナリティを出したPR戦略を各自治体がやっていけば、
本当の意味で地方が活性化するのではないだろうか?