第42回日本アカデミー賞の各優秀賞が2019年1月15日発表された。
優秀作品賞には、次の5作品が選ばれた。
「万引き家族」
万引きで生計を立てる一家の姿を描き、
カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞。
「北の桜守」
吉永小百合さんの映画出演120作品目で、
終戦から始まる激動の時代を生き抜いた親子の物語。
「狐狼の血」
抗争を繰り広げる暴力団と型破りな刑事の戦いを描いた
役所広司さん主演作。
「空飛ぶタイヤ」
ベストセラー小説を原作にしたTOKIOの長瀬智也さん主演の作品。
「カメラを止めるな」
低予算ながら感染者が続出し、大ヒットとなった。
また、各優秀賞のほか、新人俳優賞も発表され、
「羊と鋼の森」の上白石萌歌ら8人が栄誉を手にした。
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■各部門の最優秀賞は3月に発表!
授賞式は3月1日、東京・グランドプリンスホテル新高輪で行われ、
各部門の最優秀賞が発表される。
授賞式の総合司会は西田敏行と蒼井優が担当。
今年で6回目の司会を務める西田は
「優秀作品賞に選ばれた作品は、作られた時代を反映した今年ならではの力作ばかり。
じっくりとその素晴らしさを見極めたい」
と抱負を語った。
主な各賞は以下の通り。
【優秀監督賞】
▽上田慎一郎「カメラを止めるな!」
▽是枝裕和「万引き家族」
▽白石和彌「孤狼の血」
▽滝田洋二郎「北の桜守」
▽本木克英「空飛ぶタイヤ」
【優秀主演男優賞】
▽岡田准一「散り椿」
▽舘ひろし「終わった人」
▽濱津隆之「カメラを止めるな!」
▽役所広司「孤狼の血」
▽リリー・フランキー「万引き家族」
【優秀主演女優賞】
▽安藤サクラ「万引き家族」
▽黒木華「日日是好日」
▽篠原涼子「人魚の眠る家」
▽松岡茉優「勝手にふるえてろ」
▽吉永小百合「北の桜守」
【優秀助演男優賞】
▽岸部一徳「北の桜守」
▽ディーン・フジオカ「空飛ぶタイヤ」
▽西島秀俊「散り椿」
▽二宮和也「検察側の罪人」
▽松坂桃李「孤狼の血」
【優秀助演女優賞】
▽樹木希林「日日是好日」
▽同「万引き家族」
▽篠原涼子「北の桜守」
▽深田恭子「空飛ぶタイヤ」
▽真木よう子「孤狼の血」
▽松岡茉優「万引き家族」
【新人俳優賞】
▽上白石萌歌「羊と鋼の森」
▽趣里「生きてるだけで、愛。」
▽平手友梨奈「響-HIBIKI-」
▽芳根京子「累-かさね-」「散り椿」
▽伊藤健太郎「コーヒーが冷めないうちに」
▽中川大志「坂道のアポロン」「覚悟はいいかそこの女子。」
▽成田凌「スマホを落としただけなのに」「ビブリア古書堂の事件手帖」
▽吉沢亮「リバーズ・エッジ」
【優秀アニメーション作品賞】
▽「ドラゴンボール超 ブロリー」
▽「ペンギン・ハイウェイ」
▽「未来のミライ」
▽「名探偵コナン ゼロの執行人」
▽「若おかみは小学生!」
■総合司会のコメント
3月に最優秀賞が決定する日本アカデミー賞の授賞式の司会を務めるのは、
6年連続で9度目となる西田敏行(71)さん。
そして去年、
最優秀主演女優賞を獲得した蒼井優(33)さんが初めて司会に挑むことになった。
▽蒼井優:
学級会みたいなものでしか司会をやってことのない私が
人生で初めて司会をする場が この日本アカデミー賞という…
▽西田敏行:
「狐狼の血」は私のライバルの役所くんが出ていますので(笑)なるべくなら取らないで欲しいなと思います(笑)
「万引き家族」においてはもう言うことがありませんので…これだけ褒められた映画はね どっかでやっぱりちょっとケチもつけたいなという風に思うような次第ですね
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■最優秀作品賞の最有力候補はやっぱり「万引き家族」でしょ!
最優秀作品賞は、なんといっても「万引き家族」が有力。
なにせ、2018年5月に第71回カンヌ国際映画祭で、
最高賞のパルム・ドールを受賞しているのだ。
これは1997年に今村正平監督の『うなぎ』以来の快挙!
「この作品が、最優秀に選ばれないわけがない」と、
関係者らから声が漏れている。
『万引き家族』は、
親の死亡届を出さずに年金を不正に貰い続けていた
ある家族の実際にあった事件をもとに、
是枝監督が構想10年近くをかけて考え作り上げたものだ。
・優秀主演男優賞にリリー・フランキー
・優秀主演女優賞に安藤サクラ
・優秀助演女優賞に松岡茉優と樹木希林
がそれぞれ選ばれている。
〈キャスト〉
▽柴田治
演:リリー・フランキー
東京の下町に暮らす日雇い労働者。
▽柴田信代
演:安藤サクラ
治の年若い妻。クリーニング店工場のパート従業員。
▽柴田亜紀
演:松岡茉優
信代の妹。JKリフレ店に勤務し「さやか」という源氏名を使用している。
▽柴田祥太
演:城桧吏
治の息子。学校には通っておらず治とタッグを組んで万引きをしている。
愛読書はスイミー。
▽ゆり(りん、北条じゅり)
演:佐々木みゆ
治が柴田家に連れて帰ってきた少女。両親からはネグレクトなどの児童虐待を受けている。
▽柴田初枝
演:樹木希林
治の母。年金受給者である。夫とはすでに離婚している。
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■優秀作品賞に選ばれた『カメラを止めるな』も気になる。
まさかと思うが、
もしかして『カメラを止めるな』が、
最優秀作品賞に選ばれたら日本映画界に衝撃が走るだろう。
低予算で制作された映画が一躍大ヒットした作品だからだ。
監督&俳優養成スクール・ENBUゼミナールの《シネマプロジェクト》第7弾作品。
2017年11月に先行公開。
その後、国内及び海外の映画賞を数々受賞し、
2018年6月に日本国内で凱旋上映を行った。
監督・上田慎一郎にとっては初の劇場長編作品。
監督・上田慎一郎が2段構えの変わった構造の小演劇を見た際に着想を得て企画、
プロットの執筆を開始。
ENBUゼミナールに参加し、
12人の役者が集まりワークショップした際に、
設定を当て書きに変えクランクイン。
2017年11月にシネマプロジェクトの中の一作として
『きみはなにも悪くないよ』とともに新宿K's cinemaにて6日間限定で公開。
2018年6月から新宿K's cinemaおよび池袋シネマ・ロサの2館で
単独劇場公開を開始。
初日舞台挨拶にはフジテレビアナウンサー・笠井信輔が鑑賞に来ており、
映画宣伝担当者の声を受け、飛び入りで司会を担当した。
冒頭の37分ワンカットのシーンは
本当のトラブルと脚本としてのトラブルを混在させている。
海外タイトルは『ONE CUT OF THE DEAD』。
2018年公開時のキャッチフレーズは
「最後まで席を立つな。この映画は二度はじまる。」
「無名の新人監督と俳優達が創ったウルトラ娯楽作」。
全編96分。
公開当初は製作元のENBUゼミナールが配給を行っていたが、
SNS上の口コミで評判が広がり、
7月25日にアスミック・エースとの共同配給になることが発表された。
8月以降、順次100館以上での上映拡大が行われている
(全国累計上映館数は8月下旬時点で200館以上、
さらに10月上旬時点では300館以上となっている)。
■まとめ
いずれにしても、
各最優秀賞は3月に発表される。
何が選ばれるのか楽しみだ。
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