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本物の大富豪が教える金持ちになるためのすべて

 

「自己啓発」や「成功哲学」や「引き寄せの法則」など、

まことしやかに講義する人たちには、

嘘が多い。

 

その成功法則を話すことで金持ちになろうとしているからだ。

それは、どこかで聞いてきたことを話しているのにすぎない。

 

つまり、机上の空論というやつだ。

実際に経験したことではないので、嘘だらけなのだ。

 

そのてん、本書は違う。

実際に、お金持ちになった大富豪が過去を振り返って執筆している。

 

それが、

『本物の大富豪が教える金持ちになるためのすべて』

(フェリックス・デニス/文響社)

 

 

 

■デニスが幸運をつかんだエピソード

 

この本の著者であり、

 

大富豪でもあるフェリックス・デニスのエピソードを紹介しよう。

 

 

フェリックス・デニスは、

イギリスの大手出版社、デニス ・パブリッシングの創設者だ。

 

 

数多くの雑誌をプロデュースし立ちあげてきた経緯から、

メディア王と呼ばれることもある。

 

『サンデー・タイムズ』のトップリストにも名を連ねる大富豪でもある。

 

 

デニスは文無しの頃、伝記を書いた。

ブルース・リーの伝記だ。

 

ロンドンの小さな出版社ワイルドウッド・ハウスに、

その伝記の企画を売り込み、わずかな前金をもらった。

 

 

その出版社の社長は、

「ブルース・リーの初の伝記なら、

数千部は売れるだろう」

と考えた。

 

ワイルドウッド・ハウスは、

香港、イギリス、カナダ、ニュージーランド、オーストラリアで、

この伝記を出版する権利をとるように契約した。

 

他の地域では、出版の可能性はないだろうと記載しなかった。

 

デニスとその友人は、

カンフーについてもブルース・リーについても無知だった。

 

映画にも興味がなかった。

 

本を書いたこともなかった。

 

 

ただ、2人ともタイプライターは持っていたし、アジアに行ったこともあった。

 

ギリギリの予算で香港まで行き、いろいろな人に取材した。

ブルース・リー本人からも話を聞くことができた。

 

ロンドンに帰ってからデニスのアパートで執筆した。

プライドも何もないやっつけ仕事だった。

 

そして、ここで、もの凄い事件が起こる。

デニスにとっては、ドンピシャのタイミングだった。

 

 

1973年7月、突然、香港でブルース・リーが死去したのだ。

 

 

一瞬にして、ブルース・リーは世界的なスーパースターとなった。

 

 

デニスらが書いた伝記がそのタイミングで書きあがった。

世界中で唯一の伝記だ。

 

その後、世界的にブルース・リーがブームとなった。

 

多くの国で彼の映画が上映され、たくさんの観客がつめかけた。

 

ロンドンのスラム街に住む金欠のデニスらは、

ブルース・リーの専門家になった。

 

デニスらの鞄はブルース・リーに関する取材のテープや写真でふくらんでいた。

 

他の出版社たちは遅すぎた。

一流のジャーナリストを派遣したが、ブルース・リーの関係者は、

全員が口を堅く閉ざしていた。

ブルース・リーの妻や愛人、監督、家政婦らにはかん口令が敷かれていた。

 

デニスらだけが警戒網をかいくぐった。

彼らの書いた本『ブルース・リー/カンフーの王者』は、ベストセラーとなった。

 

ワイルドウッド・ハウス初のベストセラーだった。

デニスらは、ヨーロッパ諸国、アフリカ、中南米、中東、アジア、

そしてアメリカでこの伝記を出版する権利を持っていた。

 

 あちこちの国で、この伝記が出版されるたびに、お金がデニスのもとに流れ込んできた。

 

アメリカでも飛ぶように売れた。

記録的な売れ行きだった。

記念品の通信販売でも儲けた。

 

これがタイミングの力だ。

 

 

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■不運な人の3つの特徴とは?

 

デニスの友人(アルバート仮)の話。

 

アルバートはデニスよりも優れた出版人である。

人脈も広いし、筆力もある。

風が次にどう吹くかいち早く感知する力もある。

 

交渉力もデニスより上だった。

 

だが、アルバートは次々と不運に見舞われた。

やることなすこと、すべてうまくいかない。

 

最近では、性格も変わってきた。

自分よりも才能も熱意もないのに成果だけは多い人に対して、

なにかと噛みつくようになった。

 

アルバートを避ける人が多くなった。

 

 デニスよりもずっと金持ちになってもおかしくないのに、

 

なぜアルバートは不運に見舞われてばかりなのか?

 

 

アルバートとデニスには、

どんな違いがあるのか?

 

 

◇特徴1/やり続けることができない!

 

 「平均回帰の法則」がある。

 

いいことも、悪いことも、ずっと続くことはないのだ。

 

 

アルバートは障害や壁にぶつかるたびに、方向を転換していた。

スタミナがないわけではない。

「進み続ける」ことをしないだけだ。

 

「やり続ける」べきなのに、それをしないのだ。

 

次々と場所を変えるアルバートは、

幸運がやってきても、それをキャッチすることができない。

 

運を引き寄せられない。

 

運が生み出せないのだ。

 

 

◇特徴2/失敗を想像してしまう!

 

 アルバートはデニスよりも頭がいい。

学歴もあるし、大学でいろんな本を読んできた。

 

実は、この知性にこそ問題があった。

 

アルバートは、行動する前に考えすぎてしまうのだ。

そして、失敗が想像できてしまうのだ。

 

 

◇特徴3/完璧主義者!

 

アルバートは完璧主義者だ。

仕事を人に任せることができない。

 

次善を受け入れることができない。

 

だから、何でも自分でやらなければ気が済まない。

初回に少しでもうまくいかない部分があると、

すべてがうまくいくまで最初からやり直そうとする。

 

 

■デニス式幸運をつかむための8か条

 

(1)  運をつかむ準備を整えておく。ただし、運は求めず、運がくることを待つこと。

 

(2)  運がやってきたすばやく動こう。

 

(3)  自分を「不運だ」などと愚痴を言わない(生きていられるんだから)。

 

(4)  大胆に。勇敢に。不運だからといってすぐにほかの道を探そうとしない。

 

(5)  すべてを自分でやろうとしない。人に任せる。人に任せることを他の人に教える。

 

(6)  とにかくやる。許可を得るより謝るほうがずっと簡単である。

 

(7)  富の探求でマジになりすぎない。ゲームにすぎないのだから。

 

(8)  運命の女神に会ったら、笑い飛ばそう。女神が与えてくれるものを受け取り、幸運を生かす。だが、礼は言わない。彼女が去ったら、すぐ、彼女のことを忘れる。

 

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■お金持ちになるノウハウは嘘が多すぎる

金持ちになることにまつわる話で迷信にすぎないものが数多く存在する。

 

悲しいことだが事実だ。

 

 

まずデニス氏が指摘するのは、

 

「金持ちになるつもりはなかったのに 、

いつのまにか金持ちになっていた」という話。

 

デニス氏はこう言う。

「そういうことなどないとは言いきれないが、とても珍しい。

これは、ただ単に、

欲望をとりつくろうのが上手な人がいるというだけの話である。

 

上辺をとりつくろおうが、ねこをかぶろうが、

富を築いた人の大半が、人から見えるところでか見えないところでかは別として、

猛烈に働いて富を手にしたという事実は変えられない。

金持ちになることをまったく意図していなかったなど、ありえないのだ」

 

 

次にデニス氏が嘘の成功法則だというのは、アイデアについて。

 

 「『すごいアイデア』を思いついた人が金持ちになるというのも迷信だ。

『金持ちに偶然なってしまった』というよりはまだしも現実的だと言えるが、

 

妄信すると罠にはまる。

 

これは、事実の一部にすぎないからだ。

すごいアイデアなら、だれしも、どこかで思いつくものだ。

 

すごいアイデアも大事だが、

そのアイデアを形にしていく作業のほうが1000倍も大事である。

 

実現さえ完璧なら、アイデアなどどれでも似たようなものだと言っても過言ではない。

だから、金持ちになりたいのであれば、

インスピレーションが湧くのをじっと待つのではなく、

とにかく手を動かすべきだ」

 

デニス氏の言葉は辛らつだ。

 

耳が痛いと思う人も多いはず。

 

 引き寄せの法則を実践する人たちのなかに多い、

 

「何もしないで待っていれば大丈夫症候群」

 

 

「毎日、イメージしていい気分でいること」と、

 

引き寄せの法則は言うが、

それさえしないで、待っている。

 

「大丈夫、私は私のままでいいの。

お金持ちになるようになっているから」

 

と言って、ただ待っているだけ。

 

それでは、いつまでたっても金持ちになどなれない。

 

デニス氏が言うように、

 

「とにかく手を動かすことだ」

 

 

 

デニス氏はこう言う。

「私が以下にリストアップすることを、

あなたはどう感じるか自問自答してみてほしい。

ともかく、この前提条件をひとつでもクリアできないようなら(ひとつでも、だ )、

これ以上、金持ちになろうなどと思わないほうがいい」

 

つまり、この質問を1つでもクリアできない人は、

お金持ちになれないと言うのだ。

何とも手厳しい!

 

(1)  みんなに知られる形で失敗してもいい、場合によっては壊滅的な失敗をしてもいい。

 

(2)  近所の評判が気にならない。

 

(3)  安定した仕事という安全な道ではなく、ひとり危険な道を進み、

家族や配偶者、恋人に心配をかけてもかまわない。

 

(4)  芸術家肌で、金儲けに走ると才能が荒れるのではないか、

堕落するのではないかと心配にならない(この心配は現実となる可能性が高い )。

 

(5)  仲間や友だちに軽蔑されつつ、誰よりも長時間働く気概がある。

 

(6)  「自分なら金持ちになれる 」と信じられる。

 

(7)  金持ちになるまでの道のりをゲームの一種だと思える。

 

(8)  失敗に対するおそれと正面から向き合うことができる。

 

 

「金持ちになるというのは、犠牲をともなう行為である。

しかも、犠牲を払うのが自分だけとはかぎらない。

家族や友人もかもしれない。

 

これはきつい。

 

そういうものだと受け入れるか、

金持ちになるのをあきらめるかしか選択肢はない。

やめても恥にはならない」

 

 デニス氏はこう述べている。

 

 

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■まとめ

ここまで読んで、あなたはデニス氏に

こんなことを言いたくなるかもしれない。

 

 

「あなたは 1 9 6 0年代に事業を興したからいいかもしれない。

でも、時代は変わってしまった。

いま、同じことはできない」

 

 

これも結局は言い訳だ。

こんな言い訳を言っているようでは、お金持ちになどなれないだろう。

 

デニス氏は、こんなことを言っている。

 

「たしかに私とまったく同じことはできないかもしれないが、

似たようなことはできる。

 

時代は変わる。

 

だが、富に魅力を感じ、

それを手に入れようとするのは人間の本質であり、

大望を抱く人々の頭上に燦然と輝く道しるべのように変わらない。

 

金持ちになるのは無理だと考え、

その考えにずっととらわれていれば、

貧乏から抜け出すのは難しい。

 

私がまわりよりも頭ひとつ抜けていることがあるとするなら、

どんな状況でも自分は『金持ちになる』と信じて、

あきらめなかったことだ。

 

そうでなければ、

金持ちになることなど絶対にできなかったと思う」