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読者の心をワシづかみにする3つの文章テクニック

 

文章が苦手で困っている人は多いのではないでしょうか。

 

メールを打つときも、Facebookやブログを書くときも、

企画書や案内状を作成するときも、

 

文章が下手だと反響はありませんし、

利益も減少、評判もガタ落ち。

 

では、

文章が上手になるにはどうすればいいのでしょうか?

 

ボキャブラリーを増やせばいいのでしょうか?

それとも、

表現力を磨くのでしょうか?

 

どちらも、身につけるには時間と労力がかかります。

 

そこで、おススメなのが「文章の型」を知ることです。

 

型さえ知れば、簡単に文章が書けます。

 

 

『文章は型が9割』(フォレスト出版/高橋フミアキ)から、

とっておきの「文章の型」を3つご紹介しましょう。

 

 

 

●好奇心を刺激する文章の型

 

Step1/指示語を使った文

 

Step2/指示語を解明した文

 

Step3/事例やエピソード

 

〈ポイント〉

〇指示語とは?

 指示語とは「こそあど言葉」ともいいます。事物だと「これ」「それ」「あれ」「どれ」。場所だと「ここ」「そこ」「あそこ」「どこ」。方向だと「こっち」「そっち」「あっち」「どっち」。人物だと「こいつ」「そいつ」「あいつ」「どいつ」「あの人」「この人」などです。指示語を使って、思わせぶりな文を最初に書くと、読者は好奇心を刺激され、次の文を読んでしまうのです。

 

〇後の文で事例を語る。

 最初の1文で指示語を使い、次の文章でその指示語の内容を解明します。そこで文章を終わらせず、事例やエピソードを使って説明してみてください。事例やエピソードがあると読者に伝わりやすくなります。

 とにかく、「何かあったら事例やエピソードで説明する」と覚えておいてください。

 

 

 

〈例文1〉

Step

 起業したばかりの人にはお客様との信頼関係も評判も実績もありません。そういう人たちは、最初にあれをするといいんです。あれだったら、気軽に友人にススメられますし、実績が作れます。売り込みもしやすくなるでしょう。

 

Step

 あれというのは「無料お試し」のことです。物品の場合はサンプリングともいいます。

 

Step

 たとえば、YouTube専門のCM制作サービスを提供する場合、見込み客から動画や写真を提供してもらって15秒のCMを無料で作ってあげるというのを提案することができます。

 さらに、「無料お試し」から有料の顧客を見つけるには、あれを無料でやってあげるといいでしょう。

 あれというのは「CM試写会パーティ」です。CMを作った見込み客はもちろん、見込み客の取引先や友人たちも招待してパーティを開けばどうなりますか?

「こんな素晴らしいCMを作った会社はどこなんだ」と話題になります。新規の見込み客を獲得できます。そのなかには、「有料でもいいから作って欲しい」という人が現れるでしょう。

 

 

 

〈例文2〉

Step

 「無料お試し」をオファーするとき、あれを入れるかどうか悩むところです。あれが入っていると、いくら「無料お試し」でも、申し込みが少なくなるのではないでしょうか?

 

Step

 あれというのは「価格」のことです。通常はいくらのものですと明記するかどうか悩むところです。価格が入っていると売り込まれるのではないかと見込み客が警戒します。警戒した人は、申し込まないでしょう。

 しかし、こんな考え方もあります。それは、価格が書いてあるのに申し込んできた見込み客は、成約する確率が高いということです。

 

Step

 たとえば、こんな実験をした人がいます。YouTube専門のCM会社です。「無料お試し」のオファーを出すとき、通常の制作費やYouTubeへのアップ作業やSEO対策などのメニュー(価格の入ったもの)を書いたものと、何も書かなかったものとで比較しました。

 結果は、たしかに何も書かなかったほうが申込数はほんのわずか多かったそうです。しかし成約率は3倍違いました。

 

 

 

Step1/指示語を使った文

 指示語を使って、少しジラすと読者の好奇心は膨れ上がります。もちろん、ジラさず指示語がいったい何のことを言っているのかすぐに解明しても問題はありません。

 

Step2/指示語を解明した文

 「あれというのは〇〇のことです」と指示語を解明したら、そのことをちゃんと説明しなければいけません。読者は、指示語によって謎かけをされ、その謎が解けたわけですが、頭のなかはポカンとしています。そこで、どういう意味なのかちゃんと説明してあげてください。

 

Step3/事例やエピソード

 ちなみに例文2では「こんな考え方」「こんな実験」という指示語を使った文を挿入しました。「この人」「この場所」という指示語を使うのもアリです。

とにかく、先に、指示語を使った文を書いて、その後で指示語を解明するという文章の型は、読者の好奇心を刺激しますので、次を読みたくなります。

 たとえば「こんな体験をしました」「こんなことがありました」「こんな話を聞きました」「〇〇さんはこんなことを言っています」「先日、マクドナルドでこんなことを言われました」「こんな人がいました」など、指示語を使った文は工夫次第でいくらでも作れます。

 

 

 

 

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●長くても読者を飽きさせない文章の型

Step1/メッセージ

 

Step2/エピソード1

 

Step3/エピソード2

 

Step4/エピソード3

 

Step5/エピソード4

 

〈ポイント〉

〇メッセージは「呼びかけ」や「お願い」にする

 この型の場合、メッセージは「呼びかけ」や「お願い」が適切でしょう。「・・・しましょう」とか「・・・してください」といったメッセージです。

 

〇エピソードを増やせばいい

 メッセージに合致したエピソードを語っていきます。今回は4つのエピソードを書くように型を作りましたが書くスペースがあるのであれば、5つでも、6つでも、エピソードを増やせばいいのです。つまり、この型を使えば、いくらでも長い文章が書けます。

 

 

 

〈例文1〉

Step

 売り上げを構成している要素は3つあります。「客単価」、「客数」、「購買頻度」です。単価が100円だったものを130円にする、10人来ていたお客様を13人にする、1人のお客様のリピート回数を平均1.3回に増やしたらどうなりますか? 

 

 売り上げ = 客単価 × 客数 × 購買頻度

 

 すべて掛け算ですから、これだけで売り上げは2倍になります。漠然と売り上げを2倍にしようと考えてしまうと、すごく難しいように感じますが、3つの要素にわけて考えると、心理的なハードルは下がります。

 ですから、売り上げアップのために何をすればいいのかを考えるとき、この3つの要素を別々にしてアイデアを出すようにしましょう。

 

Step

 私が文章スクールを立ち上げた当初は無料で教えていました。50人集まってくれました。指導技術も未熟でしたので無料が妥当だと思ったのです。

 しかし、無料だとこちらにも甘えが出てしまいます。そこで、まず3000円にしました。有料になると甘えることはできません。しっかりと指導方法を研究しましたし、カリキュラムや文章に関する知識も深めていきました。

 本を出版し知名度も上がりました。企業研修では2時間文章の書き方を教えて約30万円いただくほどになりました。実力と実績をつけて単価を上げていったのです。

 

Step

新しい販路を拡大すると客数は増えます。たとえば、昔、アパレルといえば銀座の大通りとか百貨店とかにリアル店舗を出して販売するしかありませんでした。しかし、いまではインターネットで販売する会社が増えています。

 

Step

 資生堂といえば、女性化粧品のトップ企業です。売り上げを伸ばすために、さまざまな施策をしていますが、いままでとは違うターゲットに売ることで客数を拡大しました。

男性用化粧品を販売したのです。男性専用の洗顔フォームや化粧水などがよく売れているそうです。

 

Step

 購買頻度を上げるには回数券やポイントカードが有効です。海鮮丼を販売している「丼丸」では、スタンプカードがあり58種類の海鮮丼をすべて食べたら4杯分の無料券と記念品がもらえます。私はすでに3回クリアしていて、記念品のマグカップが3つ私のオフィスにあります。

 

 

 

〈例文2〉

Step

 商品に固執するのは、やめてください。自分の作った商品は最高だと固執すると、お客様のニーズが見えてこなくなります。そもそも、お客様はあなたの商品など欲しくないのです。

 お客様は、いま自分が抱えている問題が解決できるのであれば、何でもいいのです。ただ、無料だとその問題は解決しないから、しかたなしに商品を購入しているだけなのです。

 ですから、自分の商品はいったん忘れて、お客様の問題解決にフォーカスしてみてください。

 

Step

 私の知り合いに整体院を経営している人がいます。「オレの技術は最高だから、ほっといても口コミでお客は来るんだ」と豪語していました。玄関の看板には「〇〇整体院」とあるだけです。チラシも割引券も配っていません。

 これでは、整体にどんな効果があるのかわからないし、どんなときに来ればいいのかもわかりません。だから、お客はちっとも来ませんでした。

 いまでは、自宅を引き払い、整体院で寝泊まりしながら、夜のバイトをしているそうです。整体院を維持するためにほうぼうで借金もしていると聞きます。

 

 

Step

 サプリメントをネットで販売している人が、私に「商品説明の文章を見てくれ」と言ってきたことがあります。見ると、ビタミンやらミネラルやらの名前が書いてあるだけで、効果効能は「健康サポート」としか書いてありませんでした。

 何にどう効くのかもっと書いたほうがいいですよとアドバイスしたのですが「医薬品じゃないから書けないんだよ」ということでした。その後、売り上げがどんどん落ちたそうです。

 

Step

 会計事務所のキャッチコピーを考えたことがあります。起業したばかりの個人事業主が何で悩んでいるかをリサーチし、こんなキャッチコピーを作りました。「面倒くさいお金の雑務を全部引き受ける、個人事業主専門の会計事務所です」

 このメッセージのおかげで、ホームページだけで新規のお客が毎月5社は来るようになったといいます。いまでは、10人も社員を雇うほどになりました。

 

Step

 お客の悩みにフォーカスして大ヒットした商品があります。「コンドロイチン+グルコサミン」です。テレビCMでも「グルグル」と膝痛に悩む人に訴求しました。商品ではなく、お客様の問題解決にフォーカスした好例です。

 

Step1/メッセージ

 メッセージは「呼びかけ」や「お願い」にしますが、言い回しは「・・・しませんか?」とか「・・・するといいかもしれません」とか、いろいろと工夫してバリエーションを考えてみてください。

 

Step2/エピソード1

 エピソードはメッセージとリンクしていなかればいけません。メッセージとそぐわないエピソードを書かないように気をつけましょう。

 

Step3/エピソード2

 例文1では「アイデアを出すようにしましょう」と呼びかけています。だから、エピソードでは、その具体的なアイデアをエピソードにして書いたわけです。

 

Step4/エピソード3

 例文2では、失敗したエピソードを2つ、成功したエピソードを2つ書きました。このようにマイナスとプラスを対比させると、より深く読者の胸に響きます。

 

Step5/エピソード4

 最後に「お客様の問題解決にフォーカスした好例です」と総括的な言葉をいれるとまとまりやすくなります。

 

 

 

 

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●印象深く記憶させる文章の型

Step1/マイナスからのスタート

 

Step2/失敗の連続

 

Step3/出会いと学び

 

Step4/小さな成功

 

Step5/大きな成功

〈ポイント〉

〇シンデレラ・プロット

 私はこの型を「シンデレラ・プロット」と呼んでいます。シンデレラ・プロットは万人の心をとらえ感動させます。大ヒットした小説や映画は、このプロットで書かれているものが少なくありません。あなたもぜひ、この型を使って物語を書いてみてください。

 

〇情報の取捨選択と順番

情報の取捨選択と順番がポイントとなります。この型に合った情報を書き込み、合っていない情報は捨てなければいけません。そして、この型の順番通りに書いていくのです。このように感動する文章は計算されているのです。

 

 

 

〈例文1〉

Step

彼は、手軽に食べられるおいしいラーメンの開発に取り組んだ。彼は終戦直後の大阪・梅田の闇市でラーメン屋台に並ぶ行列を見て「家でもラーメンが手軽に食べられるようにしたい」と思った。

しかし、彼は無一文だった。ラーメン開発に取り組んだとき、理事長になっていた信用組合が破綻したのだ。子どもたちには貧しい暮らしで辛抱してもらいながら、早朝から深夜まで小屋にこもって即席ラーメン開発に取り組んだ。

 

Step

次の5つの要件を満たすことを彼は探求した。「1、おいしくて飽きが来ない。2、保存性がある。3、調理に手間がかからない。4、安価である。5、安全で衛生的である」

開発の過程は失敗の連続だった。

おいしいラーメンが作れても、それをどうやって保存すればいいのかがわからなかった。調理に手間のかからない工夫も必要だし、安価で提供しなければいけない。小麦粉のなかにスープをしみ込ませるのだが、製麺機にかけるとボロボロになって切れた。1年たっても解決策は見つからなかった。

 

Step

ある日、彼は天ぷら店へ入る。そこで、天ぷらが揚がっていくさまを観察した。高温の油で揚げると水分がはじき出され、食材に無数の穴が開く。麺を揚げたらどうだろうか。揚げた麺に熱湯を注ぐと、その穴から湯が吸収され麺が元通りになることに彼は気づいた。これならば、長期保存ができて、なおかつ、調理も簡単だ。

お湯を注ぐだけでラーメンが完成する即席ラーメンが完成した。

 

Step

 「瞬間油熱乾燥法」という製法を開発し特許を取得した。インスタントラーメンの開発はほぼ完了しアメリカへ送ったところ、注文が入ってきた。その後、日本では「チキンラーメン」として販売した。

 チキンラーメンの需要は爆発した。流通網を整え、工場を建設し大量生産を可能にした。

 

Step

アメリカに視察したときのことだ。アメリカ人が「チキンラーメン」をカップに入れて熱湯を注ぎ、フォークで食べているところを見て、カップ麺を思いつく。

インスタントラーメンの開発に取り組んだ。完成したカップ麺は生産が追いつかなくなるほどの売り行きをみせた。全世界で爆発的な大人気商品となった。

 

 

 

 

〈例文2〉

Step

 私は、小さい頃から貧乏性でした。「ウチにはお金がないんだからね」と母親に言われて欲しいものを我慢する体質ができてしまったようです。

野球が大好きな小学生でした。広島カープファンです。夏休みになると野球をするのですが、帰りにみんなアイスクリームを買います。お店が近づくとさっきまで元気よかった私が急にしょんぼりして1人で帰るのです。

 私は、みすぼらしい服を着ていました。兄のおさがりや近所でもらったものを着ていたのです。中学の学生服のスネにはアテがしてあります。それを見て女子たちが笑っていました。

 高校生のときはじめてデートしました。映画代も喫茶店代も彼女に出してもらいました。その後、彼女とは別れました。私がお金を払わなかったことが原因でした。

 私は決意しました。「絶対にお金持ちになってやる!」

 

Step

 勉強の虫になりました。いい大学へ入り、いい会社に就職すればお金持ちになれると思い競争の世界へ突入したのです。10倍もする競争率の大学へ入り、5次面接まで勝ち残って広告代理店に就職しました。しかし、たどり着いたところでも、また、競争です。ヘトヘトになり神経をすり減らし会社を辞めました。

 私はフリーライターになったのです。ライターの仕事は単価が安く、お金持ちとはほど遠い生活でした。

 株式会社を設立しました。私1人の会社です。会社を作ってみたものの、やっていることは、フリーライターと同じです。生活はいっこうに豊かになりませんでした。

 

Step

 あるとき、ヒプノセラピーと出会います。もしかすると、仕事や環境を変えるのではなく、内面を変える必要があるのではないかと思ったのです。

 ヒプノで潜在意識を変えてもらいました。私は自分が貧乏だと思い込んでいただけだったのです。その思い込みを外し「自分はお金持ちだ」というイメージを入れてもらいました。

 

Step

 気持ちが大きく変わりました。いままでは、何をするにしても「お金がないから」とか「どうせ儲かりはしない」と思っていましたが、「とにかくやってみよう!」「お金なんか何とかなる!」と思うようになったのです。

 

Step

 次々と成功が舞い込んできました。文章スクールを立ち上げたことも、本を出版したことも、ヒプノセラピーサロンを開業したことも、すべて奇蹟のようです。心が変われば環境も変わることを身をもって学びました。

 

 

 

 

Step1/マイナスからのスタート

シンデレラは継母と義姉妹にイジメられるところからはじまります。家事はすべてシンデレラ。服も買ってもらえません。そういう悲しい部分を最初に書くと読者を感動に誘います。

 「手軽に作れるラーメンを開発する」とか「絶対に金持ちになってやる」といった目標を書くことも忘れずに。

 

Step2/失敗の連続

物語をすぐにハッピーにしてしまうとつまらなくなります。そこで失敗させる必要があるのです。シンデレラは自分で服を作ってもボロボロにされます。継母にお願いしても笑われるだけです。そんな失敗を繰り返します。

 

Step3/出会いと学び

シンデレラの場合は魔法使いのお婆さんとの出会いがあります。そこで、あきらめてはいけないということを学ぶのです。

 

Step4/小さな成功

 シンデレラは、魔法によって舞踏会に出席し、王子様とダンスを踊ります。これは、小さな成功です。

 

Step5/大きな成功

シンデレラの大きな成功は、ガラスの靴で王子さまがシンデレラを見つけ、2人が結婚することです。

 

 

 

 

 

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