成功哲学や自己啓発というジャンルはこの本からはじまったといっても過言ではない。
1937年に出版され全世界で7,000万部以上も売り上げた古典的ベストセラーだ。
成功のために必要な膨大な情報が収められてあり、この本をダイジェストに要約することは不可能だろう。
そこで今回は、成功を目指す人たちが見落としがちな
「エンスージアズム(熱意)」と「マスターマインド」について
本書のなかから絞り込んで紹介していく。
■忍耐力を身につける!
「忍耐」という言葉を使った瞬間、多くの人が逃げ出してしまうだろう。
現代は、簡単、楽ちん、便利に成功しようと考える人があまりにも多いからだ。
ちょっとでも嫌なことがあるとスグに逃げてしまい
「自分には合わなかったみたい」とあきらめてしまう。
そうやって次々といろんなことに手を出し、
いつまでたっても「自分のやりたいことが見つかりません」と言っている。
そうやって成功がどんどん遠くなっていく。
ナポレオン・ヒルはこう言っている。
「忍耐力の欠如は失敗の最大原因と言ってよい。
また、この忍耐力の欠如が大多数の人間に共通している弱点であることは、調査の結果、すでに明らかである。
しかし、この弱点は努力によって克服することができる。
その最も簡単な克服法とは、自分の目標や願望に心を集中し、
その鮮明なイメージを心に浮かべることだ」
成功するかどうかは、あきらめるかどうかだ。
どんな困難な壁にぶつかっても決してあきらめない忍耐力があれば、誰でも成功するだろう。
忍耐力を習慣として身につけた人は、たとえ失敗しても、
あたかも失敗そのものを保険にかけているように涼しい顔をしているものだ。
そのような人は、どんなに失敗を重ねても、
最後には梯子の最上段に登りつめることができる。
忍耐力を身につけるための4つのステップがある。
(1) 燃えるような熱意に支えられた明確な願望や目標を持つこと。
(2) 明確な計画を立て、それを着実に実行していくこと。
(3) 親戚、友人、周囲の人たちの否定的な、あるいは意気消沈させるような意見をきっぱりと拒絶すること。
(4) 目標と計画に賛成し、激励してくれるような人を1人、あるいはそれ以上の人を友人にすること(マスターマインド)。
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■成功にはエンスージアズムが必要!
成功するにはエンスージアズム(熱意)がなければならない。
忍耐力のみあって、そこにエンスージアズムがなければ、
電源の入っていないオーブンのなかに、ごちそうを詰めた七面鳥を載せて、
おいしく焼きあがるのを待っているようなものだ。
どのような事業であれ行動であれ、忍耐力は不可欠だが、
それにはどのような感情を持って対処したらよいのか?
詩人エマーソンはこう言っている。
「世界史上で、偉大で、堂々とした行動は、みんなエンスージアズムの功績である。
エンスージアズムなしには偉大なものは何1つとして達成されなかった」
エンスージアズムを持つには熱心に行動することだ。
熱心に行動すれば気持ちがあとからついてくる。
さらに、その行動が周囲の人々を動かす。
誰かにモノを売るときには、このエンスージアズムが不可欠となる。
エンスージアズムを持つための行動には次の6つがある。
(1) 大きな声で話をすること。
(2) 早口で話すこと。頭はそれ以上に機敏に動くようになる。
(3) 強調すること。聞き手にとって重要な言葉、たとえば「あなた」とか「皆さん」という言葉に力を込めること。
(4) 間をとること。沈黙という劇的効果を利用すれば、聞き手の心は、あなたがいわんとする考えをくみ取ってくれる。
(5) 声に微笑みを込めること。
(6) 話し方に変化をつけること。
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■成功者はみなマスターマインド・グループを持っている。
ナポレオン・ヒルはマスターマインドのことを「思考の振動(バイブレーション)」と定義づけている。
マスターマインドというのは、2人以上の何らかの願望や目標を持った人間の集まりのことであり、
また、それらの人々の間で行きかう、波長の合った思考のバイブレーションのことである。
マスターマインドには2つの力がある。
1つは経済的な性質で、2つは心理的な性質。
経済的な面は、助言を求めたり、相談したり、
援助を惜しまない友人を持つことができれば利益を得ることができるだろう。
こうした協力の型が、莫大な富の基礎固めとなる。
心理的な面は、人間の心はエネルギーだということだ。
複数の人間の心が調和して1つに結ばれると、
一種の超越的とでもいってよい世界が構築できる。
人間の頭脳を電池にたとえることができる。
電池を多くつなげれば1個の電池よりも大きなエネルギーが得られる。
このメカニズムが理解できれば、マスターマインドから強力なエネルギーを引き出すことができる。
ヘンリー・フォードが資本もなく、無学で無知というハンディキャップを背負いながら事業をはじめ、
わずか10年という信じられないほどの短期間でこれら3つの障害を乗り越えた。
さらに25年の歳月を経て米国最大の富豪になった。
ここで忘れてならないことは、
ヘンリー・フォードがこれほど目覚ましい成功を収めたのは、
トーマス・エジソンと知り合ったころからだということだ。
他にも、ヘンリー・フォードはハーヴェイ・ファイアストーンや
ジョン・バローズなどとも心の交流を持ちマスターマインドを結成している。
ヘンリー・フォードは、このマスターマインドから知性、経験、知恵、知識、精神力などを吸収していった。
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■マスターマインドの作り方
(1)気心の知れた人と強調グループをつくる。
まず2・3人の気心の知れた人に声をかける。
そして、この計画に参加してもらう。
全員が互いに心の調和がとれているかを確認する。
このグループの目的は、知的にも精神的にも、互いに成長することであり、それにともなって物質的利益も得られる。
(2)討論クラブになってはいけない。
政治、宗教など、論議を呼びそうな微妙な話題を、このグループのミーティングには含めないことだ。
(3)話の内容は部外秘にすること。
部外秘にすることで、メンバーは自由に話ができる。
(4)グループは成長する。
グループは新しいメンバーが増えて大きくなる。
新メンバーの受け入れは、全員一致の原則で決める。
(5)仮入会の期間を設ける。
新入りメンバーは、1か月ないし適当な期間は、仮の入会とする。
(6)人生の成功の原則への賛同。
メンバー全員が、成功へのエンスージアズム(熱意)を持ち、行動し、学ぶことに賛同しておく必要がある。
全員が本書を熟読し理解しておくことも不可欠だ。
(7)議長を参加メンバーの持ち回りにする。
各メンバーは交互に議長を務めること。
議長は、全員が話し合いに参加しているか、質問が自由に出ているか、
個人の経験は自由に述べられているか気を配ること。
(8)主たる目的を選ぶ。
メンバーの個人の目的や問題のほかに、グループ全体の目的なり、
プロジェクトなりを決める必要がある。
たとえば「悩み相談クリニック」を週1回ひらくというプロジェクトでもいいだろう。
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■まとめ
『思考は現実化する』は、あまりも多くの教訓に満ちている。
それゆえ、何も実践できないでいる読者が多いのではないだろうか。
少なくとも、今回紹介した「忍耐力」「エンスージアズム」「マスターマインド」だけでも実行してみていただきたい。
そうすれば成功に1歩近づくはずだ。
最後に、もう1つの教訓「報酬以上の仕事をせよ」について話しておこう。
なぜ「報酬以上の仕事」をしなければいけないのか?
(1)理由1
常に報酬以上の仕事をする人だという評価を得ることができれば、あなたの立場は非常に有利なものとなる。
周囲の人との違いがはっきりする。
(2)理由2
強化を望むのであれば、それを鍛錬することによってのみ実現する。
鍛冶屋の腕を想像してみよう。
毎日何百回、何千回となく重いハンマーを握った結果ではないか。
(3)理由3
奉仕は奉仕自体に意味がある。
奉仕をしてその報酬を得ないことはない。
それは、仕事をしなければ報酬を得られないのと同じくらい確かなことである。
「報酬以上の仕事をする」あるいは「奉仕する」ことを習慣化すると、
あなたはとてつもなく高い地位につき、とてつもなく高い報酬を得るようになる。
最後にヘンリー・フォードの名言を記す。
「私の哲学は、人々に最高の製品を、最低の価格で提供することだ」
この哲学にそってヘンリー・フォードは、の自動車製造業者が製品の値上げを決定したときフォードは値下げした。
他の工場が賃金の引き下げを決めたときフォードは引き上げた。
この経営政策によって、ヘンリー・フォードは世界有数の大富豪になった。