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引き寄せの法則/エイブラハムとの対話

『引き寄せの法則/エイブラハムとの対話』

(エスター・ヒックス、ジェリー・ヒックス/ソフトバンククリエイティブ)

 

 

「引き寄せの法則」の提唱者は世界中にたくさんいるが、

もっとも支持されたのはこのヒックス夫妻だろう。

 

ベストセラーとなった『ザ・シークレット』の原点ともいわれる書だ。

 

本書は、夫のジェリーが質問しエイブラハムが答えるという形で展開していく。

 

エイブラハムは、妻のエスターがチャネリングして登場した異次元の知性。

 

 

そのエイブラハムが引き寄せの法則の実践方法を伝授してくれる。

本書に書かれたことを実践すれば、必ず欲しい現実を手に入れることができるとエイブラハムは言う。

 

 

 

■引き寄せの法則とは?

 

 

「引き寄せの法則」とは、「それ自身に似たものを引き寄せる」ということだ。

「類は友を呼ぶ」というのは実は「引き寄せの法則」のことを言っている。

 

過去の何かを思い出していても、今何かを観察していても、あるいは未来の何かを想像していても、

今という強力な時点であなたが焦点を定めた思考は、あなたのなかにある波動を引き起こす。

 

そして、たった今、その波動に「引き寄せの法則」が作用する。

 

 

よって、今、どんな波動を発しているかが重要となる。

「お金が欲しい!」と言っているとき、あなたの意識はどこにあるだろうか? 

 

お金が欠乏しているから「お金が欲しい!」と思うのではないだろうか? 

 

その場合、お金に対する欠乏感が波動となって、

その波動をあなたは発信していることになる。

 

 

そうすると、お金がないという現実を引き寄せてしまう。

 

 

ポイントは焦点を定めることだ。

 

自分が選んだ対象に思考の焦点を定めていれば「引き寄せの作用点」はとても強力になるが、

考える対象が次々に変わる場合はそうはいかない。

 

焦点を定めることは非常に大きな力がある。

 

 

考えること、行うこと、一緒に過ごす人を意識して選ぶことだ。

あなたを尊重してくれる人たちと一緒にいれば、あなたの自尊心が刺激される。

 

欠点ばかりを見る人たちと一緒にいれば、

あなたに欠点があるという見方があなたの「引き寄せの作用点」になる。

 

 

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■感情はナビゲーションシステム

 

 

 

感情は素晴らしいナビゲーションシステムだ。

 

感情という指針を使えば、自分が目指す方向から外れているか、一致しているかがわかる。

 

望む現実に向かっているのであれば、明るく前向きな感情を覚えるはずだ。

 

 

逆に、望まない方向へ思考が向いていると、ネガティブな暗い感情になる。

 

 

今、どんな感情でいるのかをチェックしてみるといい。

将来に対する不安や恐怖、友人への嫉妬や憎しみ、怒りというものを感じていたら、

あなたは望む未来から遠ざかっていることを意味する。

 

ネガティブな感情のまま突き進んでしまうと、望まない現実を引き寄せてしまう。

 

その努力と行動は非生産的な結果で終わる。

 

 

ただ、「引き寄せの法則」は現実化するまでに時間がかかるので、

その間に方向修正すればいい。

 

 

■ネガティブな考えを修正するには?

 

 

あなたが関心を向けることで活性化した思考は、だんだん大きくなっていく。

そしてじょじょに勢いが増すのだ。

 

もしも、ネガティブな勢いがついて、かなり強くなってしまうと、

急に思考を方向転換するのは無理かもしれない。

 

そんなときは、以前の考えより少しだけましな考え方を選べばいい。

 

そして、さらに少しましな考え方、またさらにましな考え方と変えていって、

じょじょに思考の方向を変えることはできるはずだ。

 

 

自分がどんなふうに感じているかに注意していれば、それほど思考を監視する必要はない。

 

心地よければ、その瞬間に語り、考え、行動していることは、あなたの意図に沿っている。

 

 

心地よくなければ、あなたの意図と調和していない。

 

要するに、暗いネガティブな感情が起こるときには、

その瞬間のあなたは思考や言葉、行動などを通じて、誤った創造をしているわけだ。

 

 

あなたは、何を望むのかをもっと意識し、意図をもっと明確にして、

そのうえで自分の感情にもっと敏感になる必要がある。

 

 

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■ツライ思いをしている人と出会った場合

 

 

ツライ思いをしている人と出会った場合どうすればいいか? 

 

 

おそらく、あなたはその人がツライ状況から抜け出す方法を見つけようとするだろう。

 

そして、その人がツライ状況を見事に解決することに揺るがぬ関心を集中していれば、

 

 

 

あなたは苦痛を感じないし、その人が解決策を見つけるきっかけになることもできるだろう。

 

 

しかし、その人の苦痛の原因となっている状況にだけ焦点を定めていたら、

あなた自身のなかにそれと一致する波動が起こり、望まないことを引き寄せて、

あなたも苦痛を感じはじめるだろう。

 

 

もしも、極端に否定的な思考をしている相手を、

無理に前向きな考え方に変えようとすると強力な抵抗を受けるかもしれない。

 

その場合は、思考を変えようとするよりも、気持ちをそらすことを勧めるといい。

 

言い換えると、眠るとか、映画を観に行くとか、音楽を聴く、猫と遊ぶなど。

何でも考えが変わりそうなことをしてみることだ。

 

 

「悪循環」にはまっていたとしても、人生には相対的にいいことがあるはずだ。

 

どんな小さなことでも、自分に起こっている出来事のなかで1番いいことに焦点を定めればいい。

 

望むことへと思考の方向を変えることで、

スピーディな「悪循環」をスピーディな「好循環」に変えることができる。

 

 

 

■望むことがなかなか実現しない場合

 

 

もし、望むことがなかなか実現しないとしたら、理由は1つしかない。

 

それは欲しいものを考える以上に、

それが実現していないということを考えているからだ。

 

 

ほとんどの人は、これが欲しいという欲求について考えると同じくらい、いやそれ以上に、

まだ欲求が実現していないということも考えてしまう。

 

 

目も言葉も思考も、目の前の現実に向けるのではなく、

ひたすら欲しいもののほうへ向けることだ。

 

欲しいもののことを考えて口にすればするほど、望みは迅速に実現する。

 

 

小さなことでいいから、考えると幸せな気持ちになることを見つけることだ。

 

 

「引き寄せの法則」が働いて、さらに似たものが引き寄せられてくるまで、

そこに焦点をおくことだ。

 

 

望むことについて考えれば考えるほど、前向きの明るい感情が引き寄せられてくる。

 

そして、前向きの明るい感情が引き寄せられてくれば、望むことを考えていることがわかる。

 

 

誰でも例外なく、自分の経験に起こることを自分で引き寄せている。

 

思考の方向を意識して選び、心地よい考えのほうへ穏やかに思考を導いていけば、

もう惰性によって望まないことを創造したりしなくなる。

 

 

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■まとめ

本書では、最後に「節目ごとの意図確認プロセス」を勧めている。

 

1日の節目節目で、自分が何を欲しているのかを確認しておけば、

そのうち望み通りの道が敷かれていくというのだ。

 

たとえば、朝目が覚めたとき、目覚めたあとベッドから出るまえの時間、それが1つの節目だ。

 

次の活動の準備をしている時間、それも1つの節目。

自動車に乗り込むときも1つの節目。

 

新しい節目に入るとき、一瞬立ちどまって、はっきり声に出して、あるいは心のなかで、

次の節目で自分が1番望むことを確認すればいい。

 

 

電話が鳴り、あなたは電話を取り上げて応答する。

そして相手が誰かわかったところで「おはようございます。ちょっと待っていただけますか」と断り、

 

自分自身に尋ねる。

 

「この相手との会話で自分が1番達成したいことは何だろうか?

相手を元気づけたい。理解したい。

相手に私を理解させ、私の欲求の方向によって影響を与えたい。

私の言葉で相手に刺激を与え、活気づけたい。そうだ、私はこの会話を成功させたい」

 

と確認してから電話に戻れば、あなたは道を敷いたことになる。

 

そうすれば意図確認しなかった場合に比べて、相手はあなたの欲求に合った対応をするだろう。

 

 

本書のなかで見つけた名言を最後に紹介しよう。

 

「あなたがたは成長を求める存在であり、前進しているときがいちばん幸せだ。

停滞感を覚えているときは幸せではない」