いまさら聞けない新海誠監督のこと
「新海誠って誰?」などと言っていたら、
おそらく世界中で笑われてしまうだろう。
それくらいの有名人だ。
そこで、今回、周囲に笑われないためにも、
新海誠監督のことをお勉強しておこう。
新海 誠(しんかい まこと)監督
映画『君の名は。』が大ヒット
1973年2月9日、長野県南佐久郡小海町に出生。
日本のアニメーション作家・映画監督、小説家。
本名は、新津誠にいつ まこと)。
妻は女優の三坂知絵子、娘は子役の新津ちせ。
中央大学文学部卒業。
アメリカ合衆国の雑誌『バラエティ』は、
2016年に新海を「注目すべきアニメーター10人」のうちの1人に挙げている。
■実家はお金持ち!
家は1909年創業の建設会社(ゼネコン)を代々営む新津組。
1947年に株式会社として設立されたのち、
3代目にあたる父親が代表取締役社長に就任し、
年商70億円ほどの規模に成長させた。
父いわく、新海の母も絵を描いており、県の美術展に入選することもあったという。
子供の時からSFや宇宙関係のものが好きで、
学研の『宇宙のひみつ』や『月世界旅行』、『失われた世界』、『ホーキング、宇宙を語る』、
アーサー・C・クラーク、アイザック・アシモフ等が愛読書だったほか、
当時まだ珍しかったパソコンを買い与えられ遊んでいた。
部活動では、小学校時代はスピードスケート部に所属し、
早朝から松原湖で練習に励んでいたという。
中学では男子バレーボール部部長を務めた。
高校では弓道部に所属。
大学では児童文学研究会で絵本の制作活動をした。
特別何かに秀でた存在ではなかったが、
学級委員や生徒会といった役を押し付けられるタイプだったという。
片道40分かけて小海線で通った長野県野沢北高等学校を1991年に卒業したあと上京し、
23歳(1996年)に中央大学文学部文学科国文学専攻卒業。
■ゲーム会社で働くかたわらでアニメ制作をはじめる!
大学在学中からアルバイトとして立川市のゲーム会社・日本ファルコムで働き始める。
大学卒業後は、4代目として家業を継ぐための修行として、
父親の紹介を受けた都内の住宅メーカーに勤める予定だったが断り、
1996年に大学を卒業してアルバイト先の日本ファルコムに正式に入社。
ゲーム開発部門への配属を希望したが叶わず、
創業者加藤正幸会長直轄のチームで、
ロールプレイングゲームのパッケージ制作を担当し、
キャッチコピーやパッケージビジュアルの作成、画像の選定などを行った。
【日本ファルコム時代に携わった作品】
・英雄伝説IV 朱紅い雫 PC-9801版(1996年5月・スペシャルサンクス)
・ブランディッシュVT(1996年10月・スペシャルサンクス)
・ロードモナーク オリジナル(1996年12月・アート&グラフィック)
・新英雄伝説(1997年4月・スペシャルサンクス)
・ソーサリアン・フォーエバー(1997年6月・ドキュメンテーション)
・ヴァンテージ・マスター(1997年12月・ドキュメンテーション)
・イースエターナル(1998年4月・ドキュメンテーション)
・モナークモナーク(1998年10月・アート&グラフィック)
・ブランディッシュ4(1998年12月・ドキュメンテーション)
・新英雄伝説III 白き魔女 Windows版(1999年4月・アート&グラフィック、パブリシティ)
・西風の狂詩曲(1999年10月・パブリシティ)
・英雄伝説V 海の檻歌(1999年12月・オープニンググラフィック、品質管理、パブリシティ)
・イースIIエターナル(2000年7月・アート&グラフィック)
・ソーサリアン・オリジナル(2000年11月・品質管理)
・英雄伝説IV 朱紅い雫 Windows版(2000年12月・ドキュメンテーション&パブリシティ)
・イース完全版(2001年6月・オープニングムービー、ドキュメンテーション&パブリシティ)
・ツヴァイ!!(2001年12月・アート&グラフィック)
同社のパソコンゲーム
『英雄伝説 ガガーブトリロジー』
『イースIIエターナル』などのオープニングムービーを制作する傍らで
自主制作アニメーションを制作し、
25歳(1998年)に『遠い世界』でeAT'98にて特別賞を、
27歳(2000年)に『彼女と彼女の猫』でプロジェクトチームDoGA主催の
第12回CGアニメコンテストでグランプリを獲得した。
会社員時代は、夜中に帰宅したあと午前3時頃までアニメーション制作を行い、
翌朝6時に起床し出社するというような生活を送っていた。
そうとうハードな20代だったようだ。
28歳(2001年)初夏の頃に5年間勤めた日本ファルコムを退社。
退社したひとつの理由として、
「日本ファルコムで作っていた映像がファンタジー世界であり、
自分が暮らしている世界はそれとは全く別。
自分の生活に密接したものを表現したかったから」と述べている。
現在コミックス・ウェーブ・フィルムに所属。
2018年6月25日、アカデミー賞を主催している映画芸術科学アカデミーは、新海をアカデミー会員に招待した。
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■アニメ映画が次々と大ヒット
『ほしのこえ The voices of a distant star』
2002年2月2日公開。上映時間25分。自主制作。
オリジナル版では新海本人が声の出演をしている。英題: Voices of a Distant Star
『雲のむこう、約束の場所 The place promised in our early days』
2004年11月20日公開。上映時間91分。原作・脚本・監督等を担当。
『秒速5センチメートル a chain of short stories about their distance』
2007年3月3日公開。上映時間63分。原作・脚本・監督等を担当。英題: 5 Centimeters Per Second
『星を追う子ども Children who Chase Lost Voices from Deep Below』
2011年5月7日公開。上映時間116分。原作・脚本・監督等を担当。英題: Children Who Chase Lost Voices
『言の葉の庭』
2013年5月31日公開。上映時間46分。原作・脚本・監督等を担当。
本作にサブタイトルは存在しない。英題: The Garden of Words
『君の名は。 your name.』
2016年8月26日公開。上映時間107分。原作・脚本・監督等を担当。英題: Your Name.
『天気の子 Weathering With You』
2019年7月19日公開。上映時間114分。原作・脚本・監督等を担当。
【CM制作でも大人気】
どのCMも短い時間で感動させてくれる!
・信濃毎日新聞(2007年)
・大成建設「ボスポラス海峡トンネル」篇(2011年12月)
・大成建設「スリランカ高速道路」篇(2013年12月)
・Z会「クロスロード」 (2014年2月)
・大成建設「ベトナム・ノイバイ空港」篇(2014年8月)
・大成建設「シンガポール」篇(2018年10月)
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■映画『天気の子』について
新海誠監督のアニメーション映画「天気の子」が
興行収入(興収)250億3,000万円の大ヒットとなっている。
社会現象を巻き起こした前作「君の名は。」から3年。
『君の名は。」では国内歴代4位の興収約250億円を記録。
2作連続での100億円の大台突破は宮崎駿監督以来、2人目の快挙。
そのことについて、新海監督はこう語っている。
「興収は結果でしかないが、『君の名は。』に頂いたもののような気がする。
狙ったわけではなく、奇跡的にあれほどの観客と出会うことができた。
その時に僕たちを知ってくれた人たちが『あの人が作ったのなら』と見てくれている。
この業界に成功のノウハウはない。
ないからこそ多くの映画が作られ、ヒットを目指して頑張っている。
2作連続は偶然も重なった。
ストーリーを思い付いたことや、時代性もあっただろう。運が良かった。
それが正直なところだ」
天気という多くの人が話題にすることを映画のテーマに選んだことについては、
こう語っている。
「ここ数年で、世界的に天候が変わってきている実感があった。
何年も何十年も前から警鐘は鳴らされていたが、人類はこういった事態を招いてしまった。
絶望や諦めのようなものがあるし、さらに変わっていくかもしれない不安もある。
僕は政治家でも教師でもない。
一般社会では叫べないようなことを、
自分らしくエンターテインメント映画だからこそできる表現で扱うことを考えた」
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■まとめ
『天気の子』の制作では、シナリオのラフ案ができた段階から
音楽を担当したRADWIMPSに参加してもらい意見を聞いたという。
RADWIMPSが作る曲に触発されて登場人物の設定やセリフも変更した。
だから、映画と主題歌がぴったりフィットしている。
その他、新海監督は小説も書く多彩な才能の持ち主だ。