秋の味覚「さんま」が高級魚になるかも!?
秋になると食べたくなる「さんま」
「秋刀魚」と、
サンマを漢字で書くと「秋」の字がつきます。
日本近海で大量にとれるさんまは、
安くて美味しい、庶民の食べ物でした。
ところが、近年、このサンマが、
なかなか取れなくなっているんです。
8月はサンマ漁が本格化する時期ですが、
漁業関係者は「例年と比べ漁獲が少ない」
と焦りをにじませています。
■サンマの不漁がますます深刻になってきた!
秋サンマの棒受け網漁は8月上旬から解禁し、
小型船から順次出漁。
漁業情報サービスセンター(東京)によると、
今年は漁場が遠く、
大型船の多くは北海道東部から約1200キロ離れた公海まで出て操業したそうです。
遠くまで出られない小型船は8月26日までで漁獲がほぼゼロだったといいます。
スゴクないですか?
これって、まずい状況ですよね~~
とある漁船の船長さんは、こう言います。
「燃料代に見合う漁獲がなく、赤字だろう」
たとえば花咲市場の競りでは最高値が1キロ1350円(税込み)。
また、魚体は120グラム台が主流で、昨年よりも細いものが多いといいます。
下の図表のとおり、2010年から急激にさんまの漁獲量が減少しているのです。
8月27日に今季初のサンマの水揚げがあった宮城・気仙沼港では
水揚げ量が昨年に比べて8分の1と、大きく下回りました。
サイズも小ぶりなものの、昨年の2倍近い価格で取引されたといいます。
都内のデパ地下鮮魚売り場をのぞいてみると、
「サービス価格」としながらも、3尾で990円!
豊漁の年には100円ほどで買えていたことを考えると、
3倍強、
これは気軽には手に取れないですよね。
サンマの塩焼きを一尾400円台で提供していた居酒屋で店主に聞いてみると、
「儲けはないですよ。
だけど、やっぱり食べたいという人は多いですからね」
と、赤字覚悟のよう。
このまま不漁が続けば、サンマもウナギやクロマグロのように高級魚になってしまう日が来るのでしょうか?
このままいったら、サンマが貴重食材になって、高級魚の仲間入りをするかもしれません。
そうなると、庶民が食べられるようなお値段ではなくなるのです。
これはマズイですよね。
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■目黒のサンマもピンチ!
岩手県宮古市は9月5日、
東京都品川区で8日に行われる「目黒のさんま祭り」に、
昨年水揚げされた冷凍サンマを送ると発表しました。
昨年までは旬のサンマを届けてきたのですが、
今年は水揚げの遅れと不漁で間に合わなかったといいます。
市によると、冷凍サンマを送るのは、サンマの提供を始めた1999年以降で初めて。
祭りは、目黒駅前商店街振興組合が落語の「目黒のさんま」にちなみ96年に始めました。
サンマ目当ての家族連れらが行列を作る人気イベントです。
宮古市はサンマの不漁に見舞われた2013年と16、17年、
北海道根室市からサンマを買い付けて品川区の会場に届けるなどしてきましたが、
今年は全国的な不漁で、北海道でも十分な水揚げ量が確保できなかったのです。
同区からは東日本大震災の後、寄付金が届けられ、応援職員も派遣されました。
宮古市水産課の佐々木勝利課長は
「生のサンマを届けられないのは残念だが、
恩を返す意味でも責任を持ってサンマを届けたい」
と話しました。
なんか、涙が出ますねぇ~~
サンマは秋の季語、風物詩でもあります。
旬の物には、心を豊かにするという効果もあります。
IT機器に囲まれ、季節を感じにくい生活の中、なるべく自然や食べ物に触れ、
季節の変化を感じるのは、ストレス軽減にも役立ちます。
無理をしてもさんまを食べたいという気持ちは、
日本人なら誰しもが持っているのではないでしょうか?
ちなみに、
江戸時代中期までは、
サンマは食用ではなく行灯(あんどん)の油をとるためだけに使われていたとのことです。
当時はあっさりとした魚が人気で、脂の乗った魚は下品と考えられていたそうです。
サンマの脂で行灯をともしていたとは、それだけ脂がよく乗っていたということですよね。
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■なぜサンマが急に取れなくなったのか?
サンマは、北太平洋を広く回遊する回遊魚です。
日本列島の南方沖で孵化したサンマは、黒潮に乗って北上します。
北海道のはるか東方沖の北太平洋でたくさん餌を食べ、
丸々と太って脂をしっかりと蓄えたサンマたちが、
夏の終わりから秋にかけて今度は親潮に乗って日本近海を南下していきます。
その一番脂が乗ったおいしいサンマが北海道沖や三陸沖などで捕獲され、
我々の食卓にのぼっているのです。
この秋に南下するサンマの群れが、
最近は日本列島から離れた海域を南下しているのが不漁の原因ではと言われています。
温暖化によって日本近海の水温が上昇したことが関係しているとの指摘もありますが、
正確な原因はわかっていないようです。
そしてもうひとつ、日本以外の漁船による捕獲が近年急増していることも、
日本の漁獲量が減っている一因と言われています。
日本の漁船は、北海道のはるか東方沖の北太平洋で育ったサンマが、
親潮にのって日本近海に来たところを捕獲しています。
一方、中国や台湾、韓国の漁船は、
サンマの群れが日本近海に近づく前に、公海上で先取りしています。
実は現在、北太平洋エリアで一番多くのサンマを獲っているのは台湾なんです。
「それでは日本の漁船も同じエリアに獲りにいけばいいじゃん」
と思いますが、
日本のサンマ漁の漁船は20トンから大きくても200トンと比較的小型で、
遠くまで漁に出ることは難しいそうです。
一方、台湾の漁船は1千トンクラスの大型船で、
サンマをどんどん獲っては冷凍にしています。
したがって、台湾で出回っているサンマはほとんどが冷凍物で、
わずかに出回っている生のサンマは、日本から輸入したものだそうです。
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■まとめ
ようするに、北太平洋で産卵するサンマの総量は減っていないわけです。
温暖化の原因で日本近海にこないだけ、
あるいは、
中国、韓国、台湾の漁船が日本よりも先にごっそり捕獲しているわけですよね。
なかでも台湾が一番多く取っているそうですが、
全部、冷凍してしまうんですね。
新鮮な生サンマか、冷凍かといわれたら、
やっぱり生がいいですよね。
解決策は、サンマのための大型漁船を日本が持つしかないのです!
ここはひとつ、日本の漁業も、
大型漁船を製造して、負けずにサンマを取りに行って欲しいですねぇ~~
誰か政治家が、
国会で、質問してくれないかなぁ!