ロシア軍がウクライナに軍事進攻するかどうかで、世界中が注目しています。
プーチンは約10万の兵士を国境付近に集結させ、ウクライナに睨みをきかせています。
ロシアは既に、シリアで使用した核弾頭搭載可能な短距離弾道ミサイルシステム「イスカンデル」を前線に配備しています。
ミサイルは防水シートに覆われているものの、複数の兵器専門家がその輪郭から「イスカンデル」であることを特定しました。
「イスカンデル」は新型コロナウイルスのパンデミックが発生した頃に、旧式の短距離弾道ミサイル「トーチカ」に代わって導入されました。
改造トラックの荷台から発射でき、ロシアの最新型レーダーシステムと連携させた場合、標的から約9メートル以内の高い命中精度を誇ります。
だがもっと懸念されるのは、そのミサイル防衛システムを回避する能力です。イスカンデルは空中で軌道を変えることができ、敵のミサイル防衛システムをかいくぐるためにデコイ(おとり)を撃つ機能も備えています。
なぜプーチンはウクライナに強硬なのか?
まず、プーチンが怒っているのは、約束を反故にされたことです。
1989年11月にベルリンの壁が崩壊したとき、東西陣営間で「NATOは東方に拡大しない」という密約があったのです。
ところが、旧ソ連の勢力圏だった東欧諸国が次々とNATOに加盟していきました。
NATOはご存知の通り、ロシアを敵対視した軍事同盟です。
冷戦終結時に16か国が加盟していましたが、現在は30か国に増えています。
ロシアにとって隣国のウクライナがNATOに加盟してしまったら、
NATOの攻撃ミサイルシステムがロシアの国境付近に配置されることになります。
さすがに、これは、プーチンとしても、見過ごすわけにはいきません。
ですから、プーチンはウクライナの国境付近に兵士を集結させ、ウクライナ政府に圧力をかけているわけです。
なぜこんなことになってしまったのか?
要するに、
米英の諜報界および軍産複合体が、ロシアを挑発してウクライナ東部に侵攻させようとしているのです。
ウクライナは、ウクライナ語を母語とするウクライナ系住民が多い西部地域と、ロシア語を母語とするロシア系住民が多い東部地域(ドンバス)から成り立っていて、
2014年までは、おおむね両者をバランスする指導者が政権をとっ
ていました。
しかし、米英諜報界は、2014年にウクライナ系の右派勢力を扇動して反政府運動(マイダン革命)を起こして支援し、政権転覆してロシア敵視の政権とすげ替えたのです。
米英諜報界に操られて成立したウクライナ右派政権は、東部地域の
自治を剥奪したので政府軍と東部の民兵団の間で内戦になり、現在までその内戦が続いているのです。
この地域のロシア系住民は、ウクライナとロシアにまたがって住んでいますが、ウクライナもロシアも1991年のソ連崩壊までソ連の一部であり、ウクライナ側のロシア系住民も、ロシア側のロシア人と同じ民族で、同胞だったのです。
ウクライナ側も、国内に2民族がいても何の問題もありませんでした。
ソ連が崩壊しウクライナが独立してウクライナ系のナショナリズムが強まった後も、ウクライナ政府は東部のロシア系住民に自治を認めて融和していました。
しかし、米英諜報界は、2014年から意図的にこの融和を破壊し、ウクライナ系のナショナリズムに取り憑かれた右派政権の政府軍と民兵団に武器支援して、彼らが東部のロシア系住民を攻撃するよう仕向け、ウクライナを内戦に陥れているのです。
ロシアの政府や人々は、自分たちの同胞であるウクライナのロシア系住民が米英の扇動で殺されていくのを見て、当然ながら激怒しました。
米英諜報界は昔から、ロシア封じ込め策の一環としてウクライナのナショナリズムを扇動してきたのです。
つまり、昔からウクライナはロシアを封じ込めるために都合よく利用されてきた国なのです。
すべて、ディープステートが裏で画策したことです。
ソ連崩壊などの歴史的な経緯からウクライナ側のドンバスに住んでいる同胞を助けることは、ロシアの政府や人々にとって完全な「正義」なのです。
ウクライナ政府が米英DSの傀儡になり下がり、ウクライナ政府軍がロシアの同胞であるロシア系住民を殺しているのです。
ロシアの人々や政治家は正義の感情として、ロシア政府軍をドンバスに差し向けて同胞を助け、ウクライナ政府軍を壊滅させるべきだと考えています。
しかし、もしロシア軍がウクライナ東部に進軍したら、米英DSはここぞとばかりにロシア敵視を扇動するでしょう。
欧米諸国はロシアに極悪のレッテルを貼って経済制裁を強化するのは間違いありません。
欧米の政界やマスコミには米英DSの傀儡が多く、ほとんど誰もロシアの事情を理解しようとしません。
少し考えれば、ロシアにとってウクライナ東部の同胞を助けることが大きな正義・義務であることがわかるのに、それは無視され「無実のウクライナに露軍が侵攻する極悪・人道犯罪が行われた」と歪曲的な話が喧伝され、欧米日の間抜けな人々がそれを軽信してロシアが悪いんだと思い込むのです。
ロシアはウクライナに軍を侵攻させず、代わりに露軍の要員が私服でウクライナ東部に入ってロシア系住民の民兵団を強化する戦略立案を行い、東部民兵団がウクライナ軍と互角に戦えるところまで持っていきました。
ロシアはウクライナ東部に武器を支援した可能性もありますが、露ウクライナ国境を監視していた欧州のOSCEは大規模な武器の越境を確認していません。
ロシアはウクライナ東部のうち、ロシア軍の最重要な基地があるクリミア半島だけは、地元のロシア系の自治政府による分離独立宣言を支持し、クリミアをロシアに併合しました。
クリミアは、ウクライナ系だったフルシチョフによって1954年にウクライナに編入されるまでロシア領でした。
ロシアは欧米に配慮し、その他のウクライナ東部をウクライナ側に残し
たまま、東部の同胞を目立たないように支援してきました。
しかし、米英主導のロシア敵視はひどくなるばかりで、ロシアに対する米欧の経済制裁は強化される一方です。
近年のロシアにとって最大の強みは、中国との経済関係がどんどん強化されていることです。
昨年の中露の貿易総額は前年比35%の増加でした。
ロシアは以前、天然ガスを欧州に売って国富としてきましたが、近年は中国がロシアの天然ガスを大量に買いたがるようになり、中国との関係だけで露経済を回していけるようになっています。
今のロシアはウクライナ内戦が始まった2014年ごろと異なり、中国との関係があるので欧米に経済制裁されてもかまわない状態になっています。
そんなロシアの変化を全く無視して、米英DSはロシア敵視をガンガン続けています。
米政界ではウクライナをNATOに入れる構想が出され続け、NATOに入ったウクライナの右派政権がロシアに戦争を仕掛け、NATOの5条に沿って米国をロシアと(核)戦争させる流れが作られています。
米英は武器を大量にウクライナに輸出し、ウクライナ政府による東部のロシア系住民の殺傷を煽っています。
欧米に対する自国の優位を感じているロシアの議会では、ウクライナ東部のロシア系住民の自治政府が住民投票などによってウクライナからの分離独立を宣言したら、ロシアがそれを支持する決議案が検討され始めています。
クリミアのロシア併合時と同様、分離独立したウクライナ東部(ドンバス)の政府がロシアへの併合を望み、ロシアがそれを受け入れることでロシアがドンバスを併合する展開が今後あり得るのです。
そうなった場合ウクライナ政府は、自国の東部がロシアにもぎ取られることを強く拒否し、ウクライナ軍が全力で東部の民兵団(ドンバス軍)を攻撃するでしょう。
ロシアから見るとドンバスは自国領になっているので、ロシア軍をドンバスに進軍させて攻めてきたウクライナ軍を攻撃し壊滅させることは合法、というか正義・義務なのです。
しかし、欧米はドンバスのロシア併合を認めず、ウクライナ領であるドンバスに露軍が侵攻したという話になります。
欧米日の軽信者たちはこの見方を洗脳され、ロシアによる極悪のウクライナ侵攻だと思い込むでしょう。
もしロシアがドンバスをウクライナから分離独立させて併合するなら、ウクライナがNATOに入る前にやった方が良い。
ウクライナがNATOに入ってしまうと、露軍のドンバス進出・侵攻時に5条が発動されて米露核戦争になりかねないからです。
米英DSはウクライナへの軍事支援を加速するともに、間もなくNATOがウクライナ加盟を決めるかのような流れを作り、ロシアをドンバス併合、露軍侵攻へといざなっています。
露軍が侵攻して、欧米からさらに強い経済制裁を受けても、ロシアには中国がいるのでかまわない。
困るのはロシアから天然ガスを買えなくなるドイツなど欧州の方になります。
米DSは最近、バイデン大統領に「ロシアがちょっとウクライナ東部に侵攻するぐらいなら、米軍を動かさずに見逃してやる」といった趣旨のことを言わせてすぐ撤回させ、
隠然とプーチンに対し「ウクライナがNATO加盟前ならドンバスに侵攻しても大丈夫だよ。早くやっちゃいなよ」とけしかけています。
NATO加盟前のウクライナから東部を分離・ロシア併合して露軍が侵攻しても、おそらく米軍は出ていかず、その後のウクライナがNATO加盟するのは欧米にとって危険すぎるので、NATO加盟の道も閉ざされる。
このように見ていくと、ロシアがウクライナ東部を分離・併合し、露軍が侵攻してウクライナ軍を敗走させる展開がありうると予想されます。
米英DSはマスコミに「露軍がウクライナ侵攻しそうだ」とプロパガンタ的に報じさせています。
すべてあの地域で紛争を起こそうとしているDSの陰謀なのです。
これはドイツの試練でもある!
これは、ドイツに対する試練でもあります。
米英は露軍にウクライナ侵攻させて欧米とロシアを(欧米側が負ける形で)決定的に対立させたいという思惑があります。
しかし、ドイツは欧州を引き連れてロシアと和解したいと考えている部分があります。
ドイツは最近、米英などがウクライナに武器を送り込んで戦争を扇動しているのを阻止すると言い出しています。
これまでのドイツは対米従属で、米英のロシア敵視体制に不満を表明しつつ従っていました。
しかし、このままロシアのドンバス併合と露軍の侵攻で欧米とロシアの仲が決定的に悪くなると、ロシアからドイツなどへの天然ガスの流れも止
まり、ドイツは窮乏することになります。
ドイツが米英に「もうやめろ。我が国はEUを引き連れてロシアと和解する」と宣言するように仕向けるために、米英DSはウクライナ危機を扇動しているのかもしれません。
敵が強大になればなるほど、軍産複合体は軍事予算がつくので喜びます。
さらに、第三次世界大戦が勃発すれば、奴らの計画がまた一歩前進することになります。